『キッド』 (1921/米)

★★★★★★★

監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン/ジャッキー・クーガン/

エドナ・バーヴィアンス/カール・ミラー 他

【STORY】
ある日、いつもの様に街を散歩していたチャーリーの耳に赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。辺りを見回すとまだ生まれたばかりの赤ん坊が街頭に捨てられている。どうしたものかと抱き上げた彼の目の前に、パトロール中の警官が通りかかった。警官は彼が赤ん坊を捨てにきたと勘違いし、目を光らせている。仕方なく彼は、その赤ん坊を自分のボロ・アパートに連れて帰った。それから5年後--その子はチャーリーの仕事を手伝う程成長していた。

<感想>

今回紹介するチャップリンの作品は、単にコミカルな映画というだけではなく、ちょっとホロっとなりそうな、内容的にも良くできた作品でした。

子供の父親とは結婚しておらず、経済的にもどうしても我が子を育てていくことができない母親が、思案した結果、他人に子供を任せるという選択をとり、赤ん坊を捨ててしまう。

それをひょんなことで、チャップリンが拾い、すったもんだの末、育てることに…という内容。

その後の展開はベタと言えばベタだが、貧しいなりにもチャップリンと楽しく生活している状況など、微笑ましく感じる場面も多々あり、いいなぁ~と思った。

終盤は裕福になった母と子が偶然再会したり、子供が病気になったことが引金となり保健所から目をつけられたり、チャップリンとの暮らしが危ういものとなってくる。

自分の子ではないがこの子を愛するチャップリンの気持ちや、子供がチャップリンを想う気持ちなどが上手く表現されていたし、サイレント作品でもここまで楽しむことができるんだ~と思える作品だった。