『告白』 (2010/日本)
★★★★★★★
監督:中島哲也
出演:松たか子 木村佳乃 岡田将生 他
【STORY】
女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見された。数ヵ月後、森口は終業式後のホームルームにて「私の娘はこの1年B組生徒二人に殺されたのです」と衝撃の告白をし、ある方法にてその二人の生徒に復讐する。そして4月、クラスはそのまま2年生に進級。犯人のひとりAはクラスのイジメの標的になっていた。そして、もうひとりの犯人Bは登校拒否し、自宅に引きこもっていた…。
<感想>
いやいやこれはなかなか良くできている作品でした。
原作を読んだ時は、ここまで面白いとは思わなかった作品でしたが、その時から映画では観てみたいなぁと思っていました。
その期待にちゃんと答えてくれた映画だったように思います。
何と言っても、松たか子の演技は最高に良かったかな!
冒頭の一人語りのようなシーンで、まず相当引き込まれてしまい、ぐいぐいと魅せてくれる。
愛娘の死は事故死ではなく殺されたのだ!
そして犯人はこのクラスにいる!と生徒たちの前で告白する。
さらに犯人には復讐を行ったということまで話してしまう。
怖い。
この映画ではいろいろなことが盛り込まれていると思った。
まず愛する者を殺された側の心情、そして今の若者の狂気的な部分。
さらにモンスターペアレントばりにわが子を愛しすぎている親や馬鹿な教師。
これって、映画のように極端ではないにしろ、現実社会に普通に存在することばかり。
それを誇張して描いてるがゆえに物語、映画として観れるのだが、リアルすぎると、かえって怖かったかも。
そしてもう一つ面白かったのが、それぞれの告白である。
重要な関係者たちのそれぞれの告白が描かれているのだが、立場が違えば一つの出来事も様々なとらえ方をされるんだなぁと改めて思わされる。
そんないろいろなことが盛り込まれた作品である。
ただ、あくまで作品の主題としては復讐に尽きるのだが、ただそれだけではない伏線を自分なりに解釈していくこともまた違った楽しみができる作品である。