『心霊写真』 (2004/タイ)

★★★★★★★★

監督:パークプム・ウオンプム/バンジョン・ピサヤタナクーン
出演:アナンダ・エヴァリンハム/ナッターウィーラヌット・トーンミー/

アチタ・シカマーナー 他

【STORY】
カメラマンのタンと恋人のジェーンは、タンの友人の結婚式に出席した帰路、飛び出してきた女性を車でひいてしまう。動かない女性を目にしたタンは「逃げよう」と提案、2人は現場から走り去った。数日後、タンが仕事で撮影した写真を現像してみると、そこには女の顔のようなものが写っていた。ジェーンは心霊写真ではないかとおびえるが、タンは露光の失敗だと言う。しかしその後、2人に恐ろしい出来事が起こり始める…。

<感想>

これは期待以上にちゃんとしっかりとした、心霊ものの作品でした!!

最近の心霊ものの作品の多くは、いかに新しいホラーを生み出そうか?

と試行錯誤した作品作りをしているのだろうが、結局映画を観終わっても結局何なのか良く分からず、はたまた作品中の怖がらせシーンでも何だか怖くなかったり、おまけに心霊現象ではなくなってしまい、心霊ものの殺人事件という感じもする。

殺人事件なら殺人事件で、その犯人を探し出すという楽しみもあるのだが、心霊現象による殺人事件となると、犯人はおらず、その意味不明な死に恐怖するという内容に・・・。

しかし、これは本当の意味での心霊現象ではないよなぁと常々思っていた。

確かに心霊現象が元で人が死亡するという事象も科学的には解明されないまでもあるだろう。

しかし、この類の作品はそういう死でもなく、何だか意味不明にこじつけた心霊映画が多い。

そんな中、この『心霊写真』はまさに正統派、心霊映画だったことに拍手喝采である!

何の目新しさもないかもしれないが、これでこそ心霊映画だと思う。

さぁ来るぞ来るぞ~と分かっていながらもやっぱり出た!とびっくりし、え!今のは・・・何!!と恐怖し、映像的にも音響的にもまんまと製作者のわなに引っかかる・・・。

でもそれを期待し観ている訳だから、変にごちゃごちゃわけの分からない理屈をこねられるより、ずっと素敵なことだと思った。

 

さらに分かっていながらも怖がらせなきゃいけないことを考えると、ちゃんと怖がらせることが出来る作り方をしていることにも感謝感謝だよね。

何もひねくり回さなくても、ストレートに表現した方がいい作品になるんだよ!

と改めて思い知らされる良い作品だったと思う。一度心霊の原点のようなこの作品を観てください。