『ディア・ドクター』 (2009/日本)
★★★★★★
監督:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶/瑛太/余貴美子/井川遥/香川照之/八千草薫 他
【STORY】
住民の5割は高齢者という過疎の村に赴任した研修医・相馬。その村には、伊野という勤務医がいた。村でただ一人の医者である彼は、住民から絶大な信頼を得、誰からも『先生』と呼ばれて親しまれていた。そんな伊野に、相馬も信頼を寄せていくようになる。しかしそれからしばらく経ったある日、伊野は突然失踪してしまう…。
<感想>
どんな内容かほとんど知らないまま観たのだが、予想している内容とは違う作品だった。
田舎の大きな病院もない、町医者のような彼が村人とほのぼのと暮らしているような話だと思っていた。
だが、いきなり何かちゃうで!?と思わせる、医者の失踪シーンから始まる。
この映画も最近良く観受けられる時間の交差を使っているが、はっきり言ってあまり好きではない。
頭の整理がしにくいというのが第一の原因である。おいらが歳を取ってきたということか・・・。
まあそれはさておき、この作品における時間の交差はそれほど多くはなったのでまだ良かった。
しかし、いきなり結論部分からスタートしていくパターンなので、物語の途中で謎が分かりやすい。
そしてその謎の原因については何も語られていないのは、色々解釈してくれということなのか?
こちらに考える部分を多く投げかけるのもいいが、何かしらの理由を提示しても良かったのでは?と思ってしまう。
なぜ彼は無医村の医者を引き受けたのか・・・?
ズルズルと村に留まってしまっていた彼だが、ある老人の病気の真相をめぐって、とうとう逃走してしまう。
もう耐えられなくなったのかなぁ?しかし、その老人に対する思いは消えずラストシーンにつながる。
このあたりのシーンにはどこか不思議な部分があり、思わず「あっ!」と声が出てしまう。
普通に考えるとちょっとありえないようなラストとなるが、どこかほっとするようなラストでもあった。