『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 (2007/日)

★★★★★★★★

監督:松岡錠司
出演:オダギリジョー/樹木希林/内田也哉子/松たか子/小林薫/冨浦智嗣/

田中祥平 他

【STORY】
1960年代、炭鉱の町として栄えた筑豊。母親の実家に行った幼い主人公は、誰からも愛される優しい母親を自慢に思っていたが、その一方でもすべてが無茶苦茶な父親を嫌っていた。やがて大分の美術高校に入学した主人公は、絵描きを目指して上京し、なんとか美大を卒業しながらも、定職にはつかず、あてのない生活を送っていた。そんななか、主人公は、母親がガンに侵されていることを知り…。

<感想>

いや~この手の作品は最近特にあきませんなぁ~・・・。どうしても涙が出てしまいます。

まんまと製作者側の思うツボといったところなんでしょうが、まんまと泣いてしまいます。

しかし同じような内容で、『眉山』の時はそんな感情にはなれなかったということは、やはりこちらの方が作品のレベルは高いのだろうと思います。

そしてより現実的なお話であったというところにも共感できたのでしょう。

オカンとボク。まさにのぼうもオカンとボクであり、そんな点でも考えながら観てしまう作品でした。

実際、誰しも親との別れは遅かれ早かれやってくるものです。

その状況がどんな状況下での別れかは分かりませんが、必ずやってきます。

そんなことを考えながら観ていると、ついつい自分の場合に置き換えてみたり、涙せずに観ることが出来ない作品でした。

抗がん剤投与による母親の苦しみ、悶える場面は本当に観ていられないほどでした。

親に対して今までの感謝の気持ちを元気なうちにいくらかでも表現しなくちゃ!と思ってしまいます。

しかしなかなか日々の生活で思うようには行きませんが・・・。

でもそんな風に考えるきっかけという点ではこの作品はまさにきっかけになるなぁと思わされます。

俳優陣もみな見事だったので、満足の1本でした。