『間違えられた男』 (1956/米)
★★★★★
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ヘンリー・フォンダ/ベラ・マイルズ/アンソニー・クエイル/
ハロルド・ストーン/エスター・ミンチオッティ 他
【STORY】
N.Y.のクラブに勤める真面目なバンドマンのマニーは、妻の歯の治療費を用立てるため、妻にかけてある生命保険から借金する事に。ところが、訪れた生命保険会社の受付は彼を見て、昨年この事務所を襲った強盗と間違え、警察を呼んでしう…。実際に起こった事件を題材に、マニーとその家族に起こった悲劇をドキュメンタリー・タッチで描く。
<感想>
この作品はもし実際に自分の身に起こったらと、考えるとすごく怖く、そして腹立たしく思う作品。
殺人があったりして怖いというのとは違う怖さを楽しめるもの。
似たような作品も多いのではないかと思う。実際、同監督の作品でも、映画ではなく、TV版での作品であるが、『ひき逃げを見た!』という作品が同じような題材の元作られている。
もちろん、結末(オチ)は違うのだが。のぼうはTV版の作品の方が好きかも!
ちょっと話はそれてしまったが、この作品、強盗犯と間違えられ、本人は何でやねん!!となるのは当然のこと、妻の身にも災いが・・・。
この事件をきっかけに精神を病んでしまい、療養所に入ることに・・・。
というように、ひとつの事件で、今まで幸せいっぱいだった家族に簡単にひびが。。。
恐ろしい話です!さあこの家族の結末はどうなってしまうのでしょうか!?
それにしても、人の記憶・目とはいかにあいまいなものか、そしてそれをあたかも事実のように言う怖さ。
一味違ったヒッチコックのサスペンスを楽しめますよ!
ただ、作品全体としては、すごく盛り上がる場面もなくどちらかと言うと、淡々と進んでいくので、ちょっと物足りない気もしないではないですが。
そういう意味においても、最初に紹介した『ひき逃げを見た!』の方が、良くできている作品だと思います。