『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』 (2003/米)

★★★★★★

監督:アラン・パーカー
出演:ケビン・スペイシー/ケイト・ウィンスレット/ローラ・リニー/

レオン・リッピー/マット・クレイブン 他

【STORY】
大学教授のデビッド・ゲイルは、妻と息子を愛する良き父親であり、死刑制度廃止運動に熱心に取り組んでいた。テキサスの大学で哲学の教鞭をとり、人々の敬意を集めていた彼は今、同僚の女性をレイプした上に殺害した罪により死刑囚として収監されている。死刑執行の刻限が迫る中、デビッドは女性記者ビッツィーを呼び寄せ、自分の手記を書くことを依頼する。この世で最後の3日間、1日2時間ずつ、彼は金網越しに事件の経緯を語り始める。状況証拠も物的証拠も揃っており、ビッツィーはデビッドの有罪を疑っていなかったが、彼の話を聞き、事件を辿るうちに彼の無罪を確信し、冤罪を証明するために奔走する…。

<感想>

ちょっと勘違いしていたため、求めているものと違ったなぁ~と思ってしまった作品でした。

1か月無料キャンペーンだったので、ツタヤディスカスの会員になり、最初の1か月はただだし、よくわからないけどオススメ度の強い作品でも試しに借りてみようと、評価の高そうなものを探していたときに、出くわしたのがこの作品でした。

評価は5段階評価で星4つちょっとついていたので、まぁはずれではないだろうなぁ~と観てみました。

内容的に冤罪を扱った作品だと思って、最近見た『それでもボクはやってない』の好例があり、同じような感じならそこそこ面白いかもと期待してみたのですが、ちょっと違っていた・・・。

冤罪を扱ったものではなく、“死刑制”の是非を扱ったサスペンス映画だった。

死刑制反対の運動に参加する大学教授が、つまらないことから職を失うことになり、さらには元同僚の女性をレイプ殺人で殺したという罪で死刑宣告を受けたのだが、実は・・・という内容のものなんだけど、いかにも作品として作りすぎている気がして、この映画は死刑制云々よりも単に娯楽サスペンスというレベルのものなんだと気づいてしまった。

最後のどんでん返しを楽しむべき映画で、彼らが作品の中で訴えている死刑制に対する考えは、二の次なんだろうか?と思ってしまった。それはそれでサスペンスとしては良かったのだけど、冤罪ものでもなく、死刑制に対する深いメッセージのものでもなかったので、まあまあかなという作品。

彼らがとった行動をそのまま死刑制反対から取った行動とは思えなかった。

そういう伝え方でしかできなかったのか?そういう方法で本当に伝えられるのか?

という疑問が沸いてしまった。最後のオチを観て、泣く女性記者だったが、逆に自分なら、怒り出すかもなぁ~とも思った。何だ結局利用されたに過ぎないんじゃないか!と。

この作品をサスペンスものとしてではなく、シリアスにとらえて観てしまった為、ちょっと面白みが半減したかもなんですが、どんでん返しの楽しさ、サスペンスを中心に観れば、もう少し違った感想を持ったのかもしれないなぁという作品でした。

そうなんです、あくまでサスペンス作品に分類分けされていたんですから・・・。失敗失敗・・・。