『沈まぬ太陽』 (2009/日本)

★★★★★★

監督:若松節朗

出演:渡辺謙/石坂浩二/松雪泰子/三浦友和/鈴木京香 他

【STORY】
昭和30年代―。巨大企業・国民航空社員の労働組合委員長、恩地元。組合委員長として職場環境の改善に取り組んだ結果、恩地を待っていたのは会社からの海外赴任辞令だった。恩地はパキスタン、イラン、そして路線の就航もないケニアへと赴任。会社は帰国をちらつかせ、恩地に組合からの脱退を迫る一方で、露骨に組合の分断を図っていた。そんな中、共に闘った同期の行天四郎は早々に組合を抜け、エリートコースを歩みはじめる。同僚でありながら行天の愛人の国際線客室乗務員・三井美樹は、対照的な人生を歩む2人を冷静に見続ける。

<感想>

まずは一言。長いです…。

 

202分の映画はやはりしんどいですね。

 

しかし、そこそこ作品的には面白いということもあって、どうしようもなく耐えられないという状況にはならなかったのは助かりましたが。

 

さて、内容ですが、映画の構成で結構パッパッと時間が入れ替わってしまうこともあり、原作を読んでなければ分かりにくいんじゃないかなぁと思いました。

 

原作は5巻で完結する大長編。

 

まぁそれを映画1本で収める事自体、至難の技だろうと思う。

 

逆に言うと、202分という長さではあるが、全てはやはり収まりきれてない。

 

そういう意味でも、原作を読んでなければ分かりにくいのかなぁ。

 

映画の中では極端に言えばワンフレーズだけでまとめられてるようなところもある。

 

とは言え、大筋ではうまくまとまっていたんじゃあないだろうか。

 

幾分かきれいにまとまりすぎかなぁとも思うけど…。

 

もっとドロドロした部分もあったので、全体通してスマートな沈まぬ太陽でした。

 

どんな状況に追い込まれても、まっすぐに信念を貫き通した男の話だが、これも映画だと、貫き通した部分が弱く感じられたかなぁ。

 

原作ではもっともっと、劣悪な環境の中での話だったので、結構感動する部分もあったが、映画ではそこまでではなかったと思う。

 

じっくりドラマで観せた方が良かったのではないかな?